畔塗り (あぜぬり)くわは国々にて三里を隔 (へだて) ずして違うものなり

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あぜぬりとは、田んぼの土をくわで取って、田んぼのまわりに土のかべを作って、田の中の水が外にもれるのをふせぐ作業です。小さなヒビやモグラが開けたあなから水がもれるのをふせぎます。

くわは土をほり起こしたり、ひっくり返させたり、くだいたり、ざっ草なども取ることのできる農具の代表です。近世の「農具便利論」という本には、「くわは国々にて三里を隔ずして違ふものなり」と書かれており、地方によってさまざまな工夫がなされていました。土のせいしつによって、くわの鉄の部分であるくわ先 (=刃先) や、それを取り付ける角度も少しずつちがっています。

伝統農具 (でんとうのうぐ) のしょうかい

  • 打ち鍬
打ち鍬 (うちぐわ)

打ち鍬は土をひっくり返したがやすもので、全体にじょうぶにできています。石の多い所の土木作業にも使います。

刃先 (はさき=鉄のついている所) と柄 (え=手でもつぼう) の角度は直角または60〜80度になっています。高くふり上げて土に入れるために、あるていど重い方が良いとされています。古墳時代 (こふんじだい=今から1600年ほど前) には板の刃先が鉄のU字型の刃先になりました。

写真のように木に鉄の刃先を付けたくわは風呂鍬 (ふろぐわ) とよばれています。風呂を作るのと同じ人がこのくわの台や柄 (え) を作る仕事をしていたので、風呂鍬とよばれるようになったそうです。

長さ185mm・高さ1040mm・奥行き600mm

  • 打ち引き鍬
打ち引き鍬 (うちひきぐわ)

打ち引き鍬は、打ち鍬と引き鍬の中間で、刃先と柄 (え) の角度もちょうど中間になっています。

長さ290mm・高さ1180mm・奥行き120mm

  • 引き鍬
引き鍬 (ひきぐわ)

乾田 (かんでん=かわいた田) や粘質土 (ねんしつど=ねばりけのある土) の田んぼを深くたがやすくわです。くわの先をいくつかに分けて、土がくっつきにくくなっています。三つ刃、四つ刃などがあり、より深くたがやすために長い刃を付けた物もあります。

長さ290mm・高さ1230mm・奥行き180mm

コラム 田んぼのマナー、畦 (あぜ) に気をつけよう

田んぼのマナー、畦 (あぜ) に気をつけよう

米作りでは水がとても大切です。その水をもらさないように農家の人は畔 (あぜ) を作っているのです。田の中に住んでいるカエルやおたまじゃくし、ザリガニなどを取るために畔をくずしてしまうと水がもれて、米ができなくなってしまいます。気をつけましょう。

田起こし

代掻き (しろかき)