施肥 (せひ)一粒万倍 (いちりゅうまんばい)

肥料

田んぼに入れる山の水には、ひ料分が多くふくまれていますが、夏が近づいて、稲 (いね) がぐんぐん成長する時期には施肥が必要です。人糞 (じんぷん=人のふん) 、家ちくの糞、かまどの灰 (はい) 、米のとぎじる、ほし魚などさまざまなひ料が使われました。堆肥 (たいひ) は有機肥料 (ゆうきひりょう) の代表で古くから家で作られてきました。

たいひ作りの一つは、春から夏にかけて青草をかり、台所で出る野菜くずやワラをまぜて積み、台所や風呂から出たよごれた水を何度もかけて発酵 (はっこう) させる方法です。ほどよくくさったところで、その上に再びワラやかり草を乗せることをくり返します。

もう一つは、厩肥 (きゅうひ) を積み上げて発酵させる方法です。厩肥の主な成分は牛や馬がふんだワラや草です。夏の間に草をかって干し草としてためておいたり、冬に山の落ち葉を集めてふませました。

伝統農具 (でんとうのうぐ) のしょうかい

  • 鍬1
  • 鍬2
万能鍬 (まんのうぐわ)

ひ料を作るのに使う万能鍬は、田畑をたがやす鍬より軽くてあつかいやすいつくりになっています。細い刃が3本もしくは4本付いていました。写真のものは柄 (え) が竹で、よりあつかいやすくできています。

長さ450mm・高さ1070mm・奥行き140mm

コラム トイレは我が家で

トイレ

下肥は人の糞尿 (ふんにょう) をひ料にしたもので、農家では大便や小便を大切にしていました。自家の分だけでは足りず、町家にくみ取りに行ってもらってきたところもあります。他人の家で大便をすると、そんをしたような気になるとさえ言ったそうです。くみ取った糞尿を肥溜め (こえだめ) などでしばらく寝かせて、くさらせてから利用しました。

草かり

虫追い