田んぼの仕組み

田んぼの仕組み

水田の構造

地球に届く有効な太陽エネルギーの約1%が、緑色植物によって有機化合物という生命のおにぎりになる。農業はこの太陽エネルギーを稲に貯えて人間の食糧というエネルギーに変換する営みである。田んぼは、日本の不利な土壌、気候問題をクリアしてお米を日本の主食とした、優れた人工栽培装置です。

  • 作土層 (さくどそう)
    • 養分や有機物を含んだ土の部分です。稲が生育するメインステージです。
    • 作土層は、養分が一枚の田んぼの中で均一でなければなりません。でないと育ち具合にばらつきができて、収穫期がばらつき、稲刈りができなくなります。
  • 鋤床層 (すきどこそう)
    • 人や機械を支える働きをします。水田をつくるときは、まずこの層をつき固めて硬くします。
    • 水を漏らさず、しかし全然漏らないのも困るという微妙な固さにする名人芸が要求されます。
  • 畦 (あぜ)
    • 田んぼに水を溜めるための壁です。畦塗りで防水加工をし、もぐらが穴を開けたりしないように気をつけます。
    • 苗や肥料、収穫した稲を運ぶ通路です。もちろん散歩や生き物の観察もできます。でも、そのときは、畦をいためないようにくれぐれも気をつけましょう。
  • 水路
    • 水を引き、水を抜く道です。
    • 田んぼの出入口を塞いだり開けたりして、特定の田んぼに水を入れることができます。
  • せき
    • 川から水路に水を引き込みます。

田んぼに水を溜める、という大発明

ひとこまマンガ

日本の土壌は本来、お米を育てるのに向いていたわけではありません。表面に水を溜めるという大発明によって、すべてを解決したのです。 もともと稲は、熱帯の作物です。それが日本列島のような温帯で安定的に栽培できるようになったのも、この大発明のおかげです。

水を溜めることにより

  • 肥料をあまり与えなくても空気や水、そして土壌の中から天然の肥料である窒素やリン酸などを取り出して吸収・利用できる。
  • 土の中の水分調節が不要である。
  • 連作障害がなく、同じ作物を毎年栽培し続けられる。
  • 雑草が少なくなる。田んぼの表面に長時間水が溜まっているため、酸素欠乏のような状態になり、この条件で生育できる雑草が少ない。
  • 稲を寒さから保護する。水は一度取り入れた熱はなかなか発散させない。(比熱が大きいのです。) 田んぼの水は稲のセーターとなります。

連作障害がない、その秘密

ひとこまマンガ

畑などで起こる連作障害の原因は

  • 特定の養分が不足する。
  • 特定の養分が過剰に溜まり、吸収しにくくなる。
  • 塩分をはじめとして、作物の生育に有害な成分が溜まってくる。
  • 土壌中に作物の生育に有害な微生物や線虫などの生物が増えてくる。

ところが水田の場合、水を溜めますので、

  • 河川から引き入れた水に養分が含まれている。
  • 過剰な成分を流し出す。
  • 塩分をはじめとして、作物の生育に有害な成分を流し出す。
  • 土壌が酸欠状態になり、作物の生育に有害な微生物や線虫などの生物が死滅する。
  • 水のなかに含まれている空気から、雑草などが窒素ガスを体内にとりこみ、さまざまな化学作用を通じて窒素を田んぼの土に残す。

など諸問題をクリアしています。お見事です。