稲と食

お米の種類

現在、世界で栽培されている稲の大部分は、オリザ・サティバ (Oryza sativa) というアジアで栽培されたアジア稲で、インディカ (インド型稲) 、ジャポニカ (日本型稲) 、ジャバニカ (ジャワ型稲) の3種類があります。

  • インディカ (長粒種)
    一般的に、細長い米粒。くき葉が長く、高温を好みます。
  • ジャバニカ (半長粒種)
    一般的に、やや丸型の米粒。くき葉が長く、くき数が少ない。
  • ジャポニカ (円粒種)
    一般的に、丸い米粒。くきが短い。
でんぷん質組成の違い
  • 糯 (もち) 米
  • 粳 (うるち) 米
  • その他: 醸造米・酒米、 赤米、 香り米
栽培法
  • 水稲 (すいとう) : 水が大好きな稲
  • 陸稲 (りくとう) : 水がほとんどなくても作れる稲

日本ではジャポニカ・水稲・粳 (うるち) の生産が大半をしめています。

お米は精米の度合いによって呼び方が変わります

部位

精米度が大きいほど食べやすく、一般的には味もよくなり、消化吸収もよくなります。しかし、栄養成分は逆に減っていきます。

玄米 (げんまい)
玄米 (げんまい)

籾 (もみ) の籾殻を取りのぞくと玄米です。糠 (ぬか) 、胚芽 (はいが) 、胚乳 (はいにゅう) がすべて揃っている状態です。玄米の主成分は72%が胚乳部のでんぷんで、あとは7.4%のたんぱく質、脂質、繊維。ビタミン、ミネラルなども多く含まれています。成人病予防などの健康食品としても注目されています。

胚芽米 (はいがまい)
胚芽米 (はいがまい)

特別な精米機を使って精米し、胚芽の保有率が80%以上あるものです。お米100gに2g以上の胚芽を含んでいます。精米と比べてビタミンB1は2.5倍、ビタミンEは10倍以上あります。

五分づき米・七分づき米
五分づき米・七分づき米

完全に精米しないで、途中で取り出したお米です。ぬかを50%取りのぞくと五分づき米、70%取りのぞくと七分づき米になります。ぬかの量が少なくなればビタミン、ミネラル、繊維の量も少なくなります。

白米 (はくまい)
白米 (はくまい)

玄米から糠と胚芽を取り除いたものです。ほとんど胚乳部だけで、糠と胚芽の栄養分は失われますが、消化はよくなり、でんぷんやたんぱく質の栄養利用率は高まります。炊きあがりは真っ白で見た目にも美しく、口当たりがよくなります。

お米は栄養価の高い健康的な食品です

稲

玄米100gあたりで炭水化物は72g、たんぱく質7.4g、脂肪1.3g、ビタミン0.15mg。さらにミネラル。カルシウム、リン、鉄、ナトリウム、カリウム、ナイアシンなどさまざまな栄養素を含んでいます。消化吸収率が98%と高く、100g当たりの熱量が356キロカロリーもあり、高栄養食品といえます。

意外に多量のたんぱく質を含み、実は日本人の主要なたんぱく源となっています。

お米はインスリン分泌が弱く、糖質が低いので皮下脂肪になりにくく、美容にもいいようです。また、血糖値の急激な上昇を抑えるレジスタントスターチを多く含みます。糖尿病などになりにくい、おだやかな糖質です。

また、ギャバというアミノ酸を含み、これが成人病を防ぐ働きをするともいわれています。

おいしい

収穫1

大昔は収穫した籾を煎り、籾殻を外した焼米を食べていたようです。それでもおいしかったのです。

次に、籾を脱穀して玄米にし、それを蒸して強飯 (こわいい) にしました。

次に水をたっぷり入れて煮る粥 (かゆ) が発明されました。これも、いまでもおいしいです。

そして「炊く」という技術が生まれ、お米のおいしさがさらに引き出されるようになりました。これも一つの大発明でしょう。

収穫2
  • お米のおいしさは・炊きたてのごはんの白さ (視覚) ・独特の香り (臭覚) ・ほのかな甘さ (味覚) ・粘りと歯ごたえ、舌触り (触覚) などの総合点で評価されます。
  • お米のおいしさは、咀嚼 (そしゃく) したときの食感がポイントです。でんぷんやたんぱく質の含有量、脂肪の酸化度、ミネラル、水分の含有率がおいしさを左右するようです。
  • 米の72%を占めるでんぷんには、アミロースとアミロペクチンの2つの成分がありす。このアミロペクチンが粘りの成分で、この量が多いほどおいしくなります。アミロース含有量は品種、栽培条件、気温に影響されます。
  • たんぱく質が多くなるとでんぷんの粘りが弱くなり、おいしさも低下すると考えられています。脂肪も水分の浸透をさまたげ、粘りを低下させます。
  • 米のうま味成分は遊離アミノ酸、遊離糖、有機酸が有力だといわれています。

ご飯のおいしい炊き方

炊くという技術は煮る、焼く、蒸すの複合技術です。「はじめチョロチョロ なかパッパ 赤子泣いてもフタとるな」はこの3つの工程を表現しています。

おいしさの感じ方には、もちろん民族差があり個人差があります。ここでは、芯がなく、粘りけがあり、ふっくらしたごはんがおいしいという想定のもとに説明しています。

お米のおいしい洗い方

乾燥した米は水を吸収しやすいため、1回目の水洗いに時間をかけすぎると糠の匂いも吸収されます。1回目はたっぷりの水を加えて手早くかき混ぜ、その水はすばやく捨てます。

水加減を工夫する

水加減は、米の種類や調理法によって変えます。例えば、新米では米の体積の同量、古米では1.2倍ぐらいを目安に、さまざまに試行錯誤し、家族や自分好みの決定的な水加減を模索します。

炊く前にお米に水を吸わせる

米粒の中心をめざして十分吸水させてから加熱のステップへ進みましょう。吸水速度は水温で変化します。夏で30分、冬で1時間を目安にしてください。

炊き加減 ごはん
  • 水が沸騰するまでは強火で10分間くらい加熱します。火が強すぎると吸水が不十分で、長すぎると煮くずれます。10分が理想的です。
  • 沸騰したら中火にして、5分間維持します。沸騰しすぎると吹きこぼれるのでご注意ください。
  • 5分たったら弱火にし、フタを開けずに15分間維持します。中心まで熱と水分を通して、でんぷんを変化させ、ふっくらとしたごはんをめざします。
  • いよいよ、火を消します。が、まだフタは開けずに10分から15分間蒸らします。仕上げです。我慢のしどころです。もし途中でフタを開けると、芯のある水っぽいごはんになります。
  • フタを開けたら、しゃもじで軽く混ぜます。そして、そっとお茶碗によそいます。

保存性が高い

穀象虫 (こくぞうむし)

お米は長期保存がききます。-20℃なら数百年もつといわれています。屋根裏から200年前の籾が出てきたこともあるそうです。 低温で貯蔵すると味が落ちることもありません。公式の低温倉庫は15℃以下です。
家庭の米びつでは、鷹の爪 (赤トウガラシ) を布袋に入れてお米と一緒に入れておくと虫も発生しません。

さまざまに利用できます

納豆 糠
  • 酒や酢、しょうゆやみそに欠かせない麹 (こうじ) の原料として不可欠です。
  • さまざまな食品の原料です。
    あられ、かりんとう、あま酒、白玉、赤飯、お餅、だんご、ちまき、ぼた餅、ビ-フン、せんべい、おかき、おこし、玄米茶などになります。
  • 稲藁には納豆菌がついています。煮た大豆を稲藁で包んでおくと納豆が作れます。
  • わらび、ぜんまいのあく抜きには稲藁の灰が利用されます。また、筍 (たけのこ) のあく抜きには糠 (ぬか) を使います。
  • 糠で糠漬けを作ります。

稲と衣

稲と住