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- 機械化に舵を切ったミャンマーの田んぼ
日本の3倍以上お米を食べる国。米輸出大国復活に向けて機械化に舵を切ったミャンマーの田んぼ。
ミャンマー農業の課題は「種とテクニック」

収穫した籾をオートバイで精米所まで運び出すところです。精米所は、車で5分程度の場所にありました。

ここがトングヮ地区の精米所です。こちらを振り返っているのがタンナイさんです。タンナイさんがこちらを見ているのは、取材の進捗状況を気づかってくれているからです。この後、乾燥室や精米機のある場所など、次々と案内してくださいました。
ソーヨータさんにミャンマー農業の課題についてお聞きしましたら、即座に返ってきた言葉が「種とテクニック」でした。種は種籾、テクニックというのは乾燥・精米などの工程を指すようです。
まず、種籾の管理が重要だそうです。米は品種改良や自然交雑などによりDNAが変化しています。種籾をきちんと管理出来ていないと、一部が先祖返りをしてしまいます。結果的に、違う品種の種籾が混在していることになります。そうなると、コンバインで一斉に稲刈りをした場合に、実の詰まった籾の量が大幅に減ります。また、精米時に砕け米が増加し、全体の品質が低下します。インディカ米は細長くて割れやすい品種なので、とくに問題です。
ソーヨータ「本来ならヨーロッパに輸出出来るはずのハイクオリティ米が、ロークオリティ米になって、価格が下がってしまいます」
ここは籾を乾燥させる部屋です。この部屋では、自然乾燥させています。


これは乾燥機です。温風を送り込んで乾燥させているようです。
この場所で、乾燥させた籾を計量します。籾袋を計量器に載せて、後ろにいる帽子をかぶった男性が記録していました。笑い声がたえない、明るく、楽しそうな雰囲気でした。
籾袋を運んでいる女性の頬を彩っているのは、化粧品のタナカです。タナカというミカン科の木の樹皮をすりおろしたもので、日焼けを防ぐためのものです。おしゃれなデザインを楽しむためでもあるようです。香りもよく、清涼感も得られるそうです。
籾の重量が記録されると、精米機まで運び、投入します。日本の籾袋は約30kgですが、この籾袋は約50kgだそうです。かなり重いはずです。
この場所に、精米されたお米が出てきます。それを袋に詰めて、画像の右上に見えている所定の位置に運びます。子どもも、タナカで可愛くおしゃれをしていました。


精米された米が整然と並べられていました。

これは、米の運搬車です。名前はトラジです。トラジは前部が元々は農業機械だったそうで、田んぼや畑の中にも入ることが出来るそうです。
乾燥機や精米機の老朽化対策はすでに始まっており、日本企業も含めたさまざまなプロジェクトが始動しているそうです。
にぎわう町の米穀店

ここは、精米所からさらに車で5分ほどの場所にあるトングヮの市場です。チョージアさんとソーヨータさんが案内してくれています。
お米を米穀店に搬入しているところです。後ろに見えているのはこの地区のパヤー (仏塔) です。
ここがトングヮの市場の米穀店です。

このカップに摺り切り一杯が2200チャット (約220円) でした。これをビニール袋に入れてもらい、持ち帰ります。
こちらの米穀店では、お米と食用油を販売していました。食用油は米とともにミャンマーの基本食料品となっており、近隣諸国と比較して一人当たり消費量が高くなっています。左がピーナツ油で、右がヒマワリ油でした。ヒマワリ油が心臓にいいということで、いまは人気が高いそうです。